法人の種類と特徴。会社設立時の選択が運命を決める!
【 目 次 】
法人の種類と特徴 ~会社設立時の選択が運命を決める!~
少し難しいお話ですが、「法人」ってなんでしょう。私たち一人一人に人格があり、法律により権利や義務が認められているように、法人にも「法人格」が認められています。いわゆる人柄、人間性を指す人格ではなく、権利義務や取引ができる人格が認められているということです。
この法人に「企業」「会社」といった呼び方があるんですね。
ここでは「会社」と呼ばれるものにも種類があることに注目します。
法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀
①株式会社
一番多く耳にし、イメージがわきやすいのが株式会社ではないでしょうか。
株式会社は株を発行して、それを買った株主が出資者となり事業を行う法人です。一人で出資して設立する株式会社もありますが、多くの場合株式を売って会社を大きくしていく、外部に出資者が存在します。利益は出資者や株主に配当をすることになります。
ちなみに「有限会社」は2006年に施行された「新会社法」により新規設立はできなくなりました。現在は「特例有限会社」とされ法律上株式会社の一部と扱われます。これまでに設立された有限会社は株式会社に変更するか、「特例有限会社」として続けるかを選択することになっています。
株式会社の特徴
1.所有と経営の分離
株式会社では株を買って出資した『株主』が会社の所有権を持っています。
株主は経営には参加しませんが、株式の所有数により株主総会の議決権を持ちます。所有数により配当金額も違います。出資者と経営を分離し、経営に関しては専門的なスキルを有した社員が行うため、株主=社員とはなりません。
2.株主有限責任
株主は出資した範囲でしか責任を負いません。会社が倒産したとしても株主の責任は問われないのです。この原則により外部より出資が受けやすい状態になっているのです。
②合同会社
合同会社は2006年に施行された「新会社法」で導入された法人の形態です。株式会社を小さくしたイメージです。株式会社は所有と経営の分離がなされていますが、合同会社では出資した人が経営もします。
合同会社の特徴
1.所有と経営の一致
合同会社では出資した人が経営も担当します。会社の意思決定を社員全員でしていくため、迅速で柔軟な会社経営が期待できます。
2.自由な利益分配方法
株式会社では株式の所有数によって利益の配当金額が決まりますが、合同会社ではこれを自由に決めることができます。(定款の定めが必要)
③一般社団法人
一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立することができる『非営利法人』です。非営利法人と聞くと、営利を出してはいけないというイメージがありますが、そうではありません。ここで言う非営利とは、事業で得た利益を株式会社や合同会社のように「分配してはいけない」ことを指します。
一般社団法人の特徴
1.設立が簡便である
一般社団法人は出資金を捻出する必要がありません。また設立時の社員は、理事と社員が2名いれば足ります。社員の1人は理事を兼ねることができるので、最低2名で設立可能です。
2.社会的信用が増す
一般社団法人も法人格を持つので、個人で活動している状態に比べると、定款を作成し設立手続きを踏んだという観点からも社会的信用は増すでしょう。
会社設立時の選択の重要性
ここでは、法人設立を考えるときに主に選択される3つの会社形態を簡単に説明しました。
非営利法人については「非営利法人の種類」をご覧ください。
自身の事業の規模、将来的に目指す規模や事業内容を考えるに当たって、どんな会社を設立するのかはとても重要です。
それぞれの会社の特徴、メリット、デメリットを知っておくことは、リスク回避や事業の発展に大きく関わってくるからです。
早く会社を設立したいが、現在の資金力に不安がある場合には最初から多額の資金を投入するのはリスクがあると言えます。逆に資金提供に安定性がある状態、事業が大きく発展しているという場合には、上場を目指せる会社の設立が適しているでしょう。
会社設立時の選択が運命を決める!と言っても過言ではないのです。
会社設立は簡単だ。会社設立は自分でできる。専門家に頼るメリットはあるのか。
そう考える方は少なくないと思います。
ご自身で会社設立をすることはもちろん可能ですが、当サイトでは後々困ってしまう盲点になりやすいことなどもアドバイスさせていただけます。
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