定款の作り方 会社設立後に損しない定款とは?

定款の作り方 会社設立後に損しない定款とは?

法人設立を始めるに当たって、定款は必ず作成しなければなりません。

会社法では株式会社や合同会社について定款の作成義務を設けています。

NPO法人についても同様の規定があります。

会社法

(定款の作成)
第二条
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。
 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。
(定款の記載又は記録事項)
第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

 目的
 商号
 本店の所在地
 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
 発起人の氏名又は名称及び住所

第二十六条 株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

(会社法より引用)

特定非営利活動促進法

(定款)
第十一条 特定非営利活動法人の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 目的
 名称
 その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
 主たる事務所及びその他の事務所の所在地
 社員の資格の得喪に関する事項
 役員に関する事項
 会議に関する事項
 資産に関する事項
 会計に関する事項
 事業年度
十一 その他の事業を行う場合には、その種類その他当該その他の事業に関する事項
十二 解散に関する事項
十三 定款の変更に関する事項
十四 公告の方法
(特定非営利活動促進法より引用)
定款は、その法人がどういった名称で、誰がどこでどんな事業をしているのか、公に証明する重要な規定と言えます。
作成する際には、後々困らないよう熟考する必要があります。ご自分でできると思っても専門家に相談するのがおすすめです。

法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀

定款作成の注意点 ①絶対的記載事項

定款を作成するにあたって、記載する内容は3つの分野に分かれています。

①絶対的記載事項・・法律で定められた必ず記載する必要のある事項

②相対的記載事項・・義務ではないが、記載すると法律的な効力をもつ事項

③任意的記載事項・・法律的な効力はもたないが、会社のなかでのルールとなる事項

 

ここでは「絶対的記載事項」の注意点についてご紹介します。

●「絶対的記載事項」は法律で決められた記載義務のある内容です。一つでも記載漏れがあったら、公証役場で認証されず、定款自体無効となります。(認証が必要のない法人形態もあります。)

 

●目的
(1)絶対的記載事項の要(かなめ)と言っても過言ではありません

目的に記載されていない事業は行うことができません。そして事業には「適法性」「営利性」「明確性」がなければならないとされています。

適法性については、例えば「麻薬の販売」「人を害する」といった公序良俗に反することを目的にはできません。

また、株式会社については利益を上げ、利益を株主に分配するために事業を行うので、事業内容が「ボランティア活動」といった非営利な事業だけをするわけにはいきません。

明確性については、一般的に誰が見てもわかる内容で事業内容を示さなければなりません。アルファベットのみの略語や業界用語などは日本語に書き換えたり、誰にでも理解できるような言葉で示す必要があります。
「派遣業」では抽象的なので、「労働人材派遣事業」といった具体的な書き方にすることも明確性につながります。

 

(2)将来やりたい事業も考えましょう

設立してすぐ始める事業だけでなく、将来的に展開していきたい事業なども考えておくとスムーズな事業展開ができます。定款に記載されていない事業は行うことができませんし、定款を変更するには時間とお金がかかります。許認可が必要な事業であれば、事前に申請する必要もでてきます。

 

(3)目的の数に注意

目的の数に制限はありませんが、あまりたくさん書くと何を専門としている会社なのか、取引先からみてわからなくなる可能性があります。融資の審査を受ける際などにも不信感を抱かれるかもしれません。
業種別目的の例はインターネットで調べることもできます。また同業他社の目的を参考にしてもいいと思います。
せっかく目的を定めても、登記が認められないこともありますので、事前に法務局に相談するのも一つの方法です。

 

(4)「前各号に附帯または関連する一切の業務」の一文を最後に入れる

目的の中の事業と関連した業務であれば、附帯する・関連する業務として変更登記をする必要がありません。とても便利な一文ですので、最後に必ず記載するようにします。

 

●本店の所在地
定款には本店の所在地を記載する必要がありますが、その住所は最小行政区までで構いません。
東京都渋谷区、神奈川県横浜市緑区といった区までの表記ですと、区内で引っ越しをしても定款変更の必要がありません。逆に東京都渋谷区〇丁目〇番地まで細かく記載すると、住所が変わった際、定款を変更する必要があります。

 

●設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
株式会社の場合、会社の資本金の額を記載します。注意する点、お得になる点として以下説明します。

(1)社会的信用度
資本金の額は社会的信用度にかかわります。取引先が相手会社の登記事項証明書を見たり、融資申し込みの際など会社概要を説明する場面で「1円で設立しました!」という会社にどういう感じ方をするでしょうか。事業が安定して発展する可能性はわかりません。1円から設立できるからといって「資本金1円」とするのはおすすめできません。運転資金、融資面、また必要な許認可によっては資本金の額が定められていることがあります。初期費用や、設立後3か月~6か月の運転資金を考え、注意して資本金を決める必要があります。

 

(2)税金面
資本金1000万円未満で会社を設立すると、設立第1期は消費税を納める必要がありません。そして、設立第2期に消費税を納めるかどうかは、設立当初6ヶ月の売上、給与のどちらかが1000万円以下であれば第2期も消費税はかかりません。決算期を決める時は、売上、給与が1000万以下と予想されるのであれば、第1期をできるだけ長く取ったほうがお得と言えますね。

 

定款を自分で作るのはもちろん可能ですが、後々変更が必要になったり、時間をかけずに作成するために、当サイトがアドバイスさせていただけます。

定款作成の注意点 ②相対的記載事項

相対的記載事項は、義務ではないが、記載すると法律的な効力をもつ事項であり、会社のルールとして記載して有効にしておいた方がよい事項です。設立後の揉め事を起こさないためにも決めておきましょう。ここでは株式会社を例にとります。

(1)現物出資
株式の発行により出資金を集めるだけでなく、現金以外で出資する方法です。パソコンや車、土地などの評価額を資本金として計上できます。注意が必要なのは、現物の評価を実際よりも高く評価してしまうことです。現物の価額を専門家に正しく評価してもらうことが必要です。

 

(2)株式の譲渡制限に関する規定
株式を譲渡する際に、会社の承認を必要とする規定です。この規定がなければ株式は自由に売ることができます。しかし中小企業では、知らない第三者が株式を買ってしまったら、事業に影響が出ることも考えられます。これを防ぐために、株式を譲渡するときは会社の許可した人にのみ譲渡できる規定となっています。一人社長や家族経営の会社では多く規定されていて、一般的に「譲渡制限会社(非公開会社)」といいます。
株式譲渡制限を規定している会社は、通常2年までの役員任期を10年まで伸ばすことができるメリットもあります。

 

(3)発起人の報酬に関する規定
会社設立に初めからかかわっている発起人に対して、会社設立後報酬を受ける場合、発起人が任意に報酬額を決めると不当な結果になる可能性があります。そこで発起人の報酬についても定款に記載しておくことで、揉め事になるのを防ぎます。

その他、「財産引受」、「設立費用」、「株主総会などの招集通知を出す期間の短縮」、「株券発行の定め」などがあります。

定款作成の注意点 ③任意的記載事項

任意的記載事項は定款に記載してもしなくてもいいことです。相対的記載事項は、決めたら定款に記載が必要であるのに対して、決めたとしても定款に記載しなくてもいいものです。ルールとして明確になるという意味で定款に記載しておくと無難な項目と言えます。

「取締役の権限」、「取締役等役員の人数」、「事業年度」、「株主総会の議長」などです。

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