女性起業の強みと悩みとは?

女性起業の強みと悩みとは?

女性の社会進出を法律で守り、男女平等な機会と待遇を与える・・いわゆる「男女雇用機会均等法」。

正しくは『雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律』という長い名前がついています。この法律が最初に成立したのは昭和60年(1985年)です。その後、平成3年に育児休業法、平成5年にパートタイム労働法、平成15年に次世代育成支援対策推進法、平成27年に女性活躍推進法が成立し、主に女性の就労環境を改善する法律が整備されました。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(基本的理念)
第二条 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。
 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。

未だ活発に、女性の能力発揮や社会進出の必要性が討論されています。私事ですが、私が大卒で就職した企業では、この法律が機能しているとは全く感じられませんでした。あらゆるハラスメントが黙認され、とても悔しい思いで退職を余儀なくされたことは忘れることができません。

最近では『男女共同参画社会』がうたわれ、

男女共同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」です。
(男女共同参画社会基本法第2条)平成11年6月23日公布・施行

※男女共同参画局ホームページより

「男女の人権の尊重」「家庭生活における活動と他の活動の両立」「社会における制度又は慣行についての配慮」など5つの基本理念が定められています。

『男女雇用機会均等法』の成立から40年近くが経とうとしています。たくさんの法律が公布されても、現実と理想にはまだまだ乖離があるように思います。

しかし、女性の起業が増えているのは事実です。ここでは女性が起業するにあたっての強み、悩みを考えていきます。

法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀

女性起業の強み

①気配り、優しさ

女性ならではの細かい気配りや、優しさは活用した方がお得です。そのような人ばかりではありませんが、「男子だんしいえずれば七人しちにんてきあり」ということわざがあるように、男性社会は敵がたくさんいて厳しいというイメージがあります。気配りや優しさが重要だという概念は男性社会にあるでしょうか。怖い顔をした男性がたくさんいるより、一人の女性の笑顔や配慮で場が和むことは多いでしょう。女性起業家はこの強みを大いに利用すべきです。覚えてもらいやすいですし、応援をしてくれる人もいるかもしれません。

 

②共感力

女性は男性に比べ共感力が高いと言われます。おしゃべり好きと言えば女性です。おしゃべりがいつまでも続くというのは女性は共感力が高いからです。男性に「よくそんなにしゃべることがあるなー」と言われたことはありませんか?共感力があるからこそおしゃべりが続くのです。「そうは思わない」「そんな話には興味がない」という仲間がいたらおしゃべりは続きませんよね。この共感力をビジネスに生かすことができるのは女性です。口コミやネットワークが広がれば宣伝になりますし、おしゃべりから情報が入ってきます。自身のビジネスや商品も広がる可能性大ですね。

 

③流行や発信に敏感

おしゃべり好きな女性から派生することとして、世間の流行や発信されているニュースに敏感であることも強みと言えるでしょう。一概に流行をビジネスにするのが良いこととは言えませんが、世間のトレンドから新しいアイデアが出たり、さらにこんなサービスがあったらいいなと女性目線で考えられるのは強みと言えます。家事用品のアイデア発案・開発などは主婦の方が特許を持っているという話はよく聞くところです。自身の経験から「こんなものがあったらいいな」「便利だな」と考えられるのは生活に深くかかわっている女性ならではの視点ですね。

女性起業の悩み

下のグラフを見ると、女性の起業が増えてきたといっても、まだまだ男性の起業人口が多いことがわかります。特に30代、60代では男性起業の人数が多い状況です。男性は働き盛りの世代、シニア起業を始める世代が多いですね。女性の起業者人口が低いのはなぜでしょう。

 

※2021年中小企業白書より

 

①女性のライフワークの問題

男女平等をいくら掲げても、男女の役割が違う部分はあります。選択はそれぞれですが、「出産」は女性にしかできません。出産するとなると産前産後の休業が必要になります。育児の負担はおのずと女性に偏ってきます。また、晩婚化が進み、起業をしよう。これから事業の拡大を・・と考える時期に「出産」や「子供にかかる手間」が重なってくるかもしれません。出産育児だけでなく、夫の転勤や介護の問題も出てきます。40~44歳、60~64歳の起業人口の低さはこうした女性のライフワークの表れかもしれませんね。

 

②ビジネス経験の問題

男性と同様に仕事を任せられ、同時に昇進していくことは可能でしょうか。業種にもよりますが、やはり女性は結婚・出産を機に休業を取ったり、体力的に同等にできない難しさがあります。管理職を経験していない、さらには会社勤めの経験がない女性もいらっしゃると思います。事業プランやマーケティング能力があっても、財務知識や資金繰りまで最初からこなすのは厳しいかもしれません。

 

③「好き」「夢」で起業する

こちらも一概には言えませんし、起業する方の環境にもよりますが、女性の起業は「好きな事」「夢見ていたこと」から始まることが多いです。特に服飾雑貨などは好きなジャンルが多岐に渡りますので、自分の「好き」が多くの人の「好き」と被るかどうかはわかりませんし、在庫だけ増えて売れないという現実にぶつかるかもしれません。起業によって「夢が叶う」というのは素敵なことですが、自分の事業が成功しようが失敗しようが関係ない環境で起業する方と、生活のために利益を追求したい方もいるでしょう。ご自身の環境をよく理解したうえで起業することをおすすめします。

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