内容証明とは

内容証明とは

内容証明とは、日本郵便株式会社が提供している郵便サービスの一つです。「いつ」、「どんな内容の文書が」、「誰から誰あてに差し出されたのか」を日本郵便が証明するもので、文書のやり取りを法的に証明することが可能になります。

内容証明郵便には、当事者と相手方以外の第三者によって文言の内容を中立・公正な立場から証明する効力があります。

万が一起業後に取引先や相手方と揉め事が起こりそうなとき、「内容証明」で、ある事実の確認を相手方に知らせておく必要が出てくる場合があります。内容証明とその効力について知っておきましょう。

法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀

内容証明とは

内容証明とは内容証明郵便と呼ばれる、手紙の一種です。

差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書に書かれた内容を、日本郵便が証明する「一般書留郵便物」のことをいいます。紛争の事前防止や一定の法律効果を発生させる為に利用されます。

配達された日(相手が受け取った日)が重要な意味を持ちますので、通常は「配達証明」を付けて利用されます。受取人に送付するもの1通に加えて、差出人保管用と郵便局保管用として謄本2通を作成します。3通あることで、受取人・差出人・日本郵便がそれぞれ文書の内容を確認できる仕組みとなっています。

作成する文書は、手書き・パソコン入力のいずれでも可能です。一枚の紙に入れることのできる文字数、行数が決まっています。郵便局の窓口から郵送するほか、インターネットを利用した電子内容証明サービス(e内容証明)でも送付することができます。

 

内容証明の効力

①法的手段における証拠になる

内容証明郵便自体に法的拘束力はないのですが、一般的に法的手段へ訴える前段階で利用されます。「文書の内容・差出人・宛先・作成した年月日」と共に、郵送した「事実を公的に証明することができる」郵便だからです。

 

②心理的プレッシャーとなる

受け取った相手にとっては「裁判になってしまう可能性がある」という気持ちにさせやすくなります。文言の中に「解決しないのであれば裁判という手段を取る」ことが明記されることが多いからです。債務督促の内容証明は、面倒な裁判を行い社会的信用性を失うリスク発生より、支払いに応じるほうが得策だと、すぐに応じてくれることもあります。

 

③時効の完成猶予効力が得られる

債権の場合、時効という制度があります。一定期間の経過によって、権利が消滅する制度です。

例えば債権の行使(相手がお金を入金しない)が一定期間行われなかった状態で、相手方が「時効」という権利を知っていて、5年間返さないまま「これで時効ですよね」と言った場合(「時効の援用」といいます。)、「時効が完成」してしまいます。一般的な支払債権の時効は5年だからです。

その前に債権者が「支払いの督促」を内容とした内容証明を送ると、時効の完成猶予として時効完成が伸びることになるのです。

※時効の完成猶予に関しては他にも方法があります。

  • 裁判上の請求(民法147条1項1号)
  • 強制執行(民法148条1項1号)
  • 催告(民法150条1項)
  • 債務者の承認(民法152条1項)

 

内容証明郵便は、第3者である郵便局が内容文書の存在を保証するという性質により、文書の受取人に対して差出人の立場が一貫しており、明確な強い意志があることを示すことができます。このことから、契約の誠実な履行を求める圧力などを、丁寧でありながら正式な形で受取人に与えることができ、下手をすると裁判に発展するかもしれないという点で、心理的な効果を発揮します。起業をして色んなことがすべて順風満帆に進むとは限りません。口喧嘩などをするより、正しい手順と使い所を把握し、内容証明を効果的に使用しましょう。

内容証明作成代行を士業に依頼されたい場合は、行政書士 高柳麻紀にお問い合わせください。

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