起業時に使える補助金、助成金、融資

起業時に使える補助金、助成金、融資

「補助金、助成金、融資」その違いはなんでしょう。

簡単に分けて考えると・・

【補助金】管轄:経済産業省(主に行政書士が関わります)
「事業の継続、成長、プロジェクトの補助」として事業計画の審査を受け(誰でも通るわけではありません。)採択され、事業実行後に給付されるお金。返済の必要はありません。

【助成金】管轄:厚生労働省(主に社会保険労務士が関わります)
「人材の教育、キャリアアップ支援、雇用支援」として要件がそろっていれば通るお金。返済の必要はありません。

【融資】公的融資・民間融資にわかれます。利息がつき返還する必要があります。

ここでは、起業時に使える補助金、助成金、融資にはどんなものがあるかみていきます。

法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀

補助金とは?

起業してすぐに使える補助金

小規模事業者の事業プロジェクトの補助等として受給される補助金は返済の必要ありません。会社の資金保有額を大幅には減らすことなく事業に取り組むことができると考えれば「貰えるもの」とも言えますが、しっかりとした事業計画に基づいてプロジェクトの実行をしなければ受け取ることはできません。

小規模事業のみを対象とする代表的な補助金は、令和元年度補正予算・令和3年度補正予算にて決定された「小規模事業者持続化補助金」があります。

今年度も下記の予定にて実施されます。

第8回受付締切:2022年6月3日
第9回受付締切:2022年9月20日
第10回受付締切:2022年12月上旬
第11回受付締切:2023年2月下旬

 

令和4年(2022年実施)小規模事業者持続化補助金の概要

→ スクロール →

申請類型

補助上限額

補助率

通常枠

50万円

2/3

(成長・分配強化枠の一部類型において赤字事業者は3/4

成長・分配強化枠(賃上げや事業規模の拡大)

200万円

新陳代謝枠(創業跡継ぎ候補者の新たな取組)

200万円

インボイス枠(インボイス発行事業者への転換)

100万円

→ スクロール →

  

  • 通常枠
    経営計画を作成して取り組む販路開拓、業務効率化等(最大50万円)

(対象経費)販促用チラシ、パンフレット作成、広告掲載、店舗改装、販売拡大のた めの機械装置の導入、新商品開発、商談会への参加 など

 

  • 成長・分配強化枠(賃金引上げ枠・卒業枠)

赤字など業況が厳しい中でも、賃上げ等に取り組む事業者や、事業規模の拡大に取り組む事業者向け(最大 200 万円、補助率原則 2/3 (赤字事業者の場合には 3/4 ))

 

  • 新陳代謝枠(後継者支援枠・創業枠

創業や後継ぎ候補者が実施する新たな取組みを支援する (最大200万円)
※ただし「特定創業支援等事業」による支援を受けた事業者という要件があります。(中小企業庁)

 

  • インボイス枠
    インボイス発行事業者に転換する場合の環境変化への対応を支援(最大100万円)

(申請要件) 2021930日から2023930日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス発行事業者に登録し、販路開拓の取り組みを行う小規模事業者

※小規模事業者持続化補助金の細かい注意点はこちら

 

補助金についての注意

①補助金申請には決められた枚数の『事業計画書』と『必要経費』の計算が必須です。一番重要なのは『事業計画書』ですが、初めてのチャレンジで自己流で書いた事業計画書が採択されるのはなかなか難しいと思います。

補助金は予算が決まっていますので、どれだけ素晴らしい事業計画書を書いても落ちるときは落ちます。100%の採択率はありません。小規模事業者持続化補助金の採択率をみても、第1回は90.9%と非常に高い採択率でしたが、第4回は40.2%という厳しい数字でした。

コロナ禍ということもあって、「小規模事業者の持続」(潰れてほしくない)という趣旨での補助金でもありますので、今後は採択率が下がっていくかもしれません。

ご自分で書くことはできますが、とても時間のかかる作業になります。ぜひ専門家にご相談ください。

 

②補助金をもらうまでに持ち出しと時間がかかります
事業計画書を練って申請→採択通知までに2ヶ月半ほどかかります。交付決定通知書を受け取った後から補助事業を始めます。補助事業の期間は半年程度ですが、その間に申請した経費を「まずは自社から持ち出し」して事業を行う必要があります。補助事業期間が終了し、事業報告書を出してから補助金入金となりますが・・・報告書の精査にはこれまた時間がかかり、事務局と修正依頼など書類のやり取りが必要となるため、最初の申請からスムーズに運んでも入金までに「1年」かかるとみておいてください。

 

「お金がもらえるから」と安易に補助事業を考えるのは危険ですよ!

助成金とは?

補助金が「事業の継続・発展」に対して補助されるお金に対して、助成金は主に「人材教育」のために補助さというれるお金といっていいでしょう。

主な助成金に

  • キャリアアップ助成金
  • 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)
  • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

があります。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、派遣労働者、パート従事者 といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進し、正社員にしたり処遇の改善取組みを実施した事業主に対して、かかった費用を助成するというものです。起業時は金銭的な余裕がなくアルバイトとして雇っていた場合、事業が軌道に乗り正社員になってもらおうといった際に申請することができます。

 

助成金は「人材の教育・育成・雇用」に関して国から助成されるものですので、要件さえ満たしていれば難しい審査などを通らなくても助成されます。スモールビジネスでスモールスタートというお考えの起業を目指す方は、事業がある程度拡大し、信頼のできる社員が欲しいとなった時に考えると良いと思います。

融資とは?

融資という言葉は耳慣れていると思います。融資は「お金を借りること」借金ともいえます。事業の拡大や設備投資のために、返済目標をしっかり立てたうえで利用するには、必要な手段ですね。起業支援のための融資は補助金、助成金に比べ数は圧倒的に多いです。低金利ではありますが、「借りたら返す」お金ですからね。しかし、誰にでも簡単に融資するわけにはいきません。融資申し込みには、しっかり寝られた「事業計画書」や要件があります。

例えば、
『新規開業支援金』
こちらは新規開業しようとする方、または新規開業して7年以内の方に、貸付利率等に特例を設け、幅広い方の開業を支援する融資制度です。
〇貸付機関:株式会社日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫
〇使い道:新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要となる設備資金および運転資金
〇融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)

ほぼ同じ内容で、女性の方、35歳未満または55歳以上の方向けに『女性、若者、シニア起業家支援資金』という制度もあります。

『新創業融資制度』、『創業支援貸付利率特例制度』、NPO法人、保育・介護事業者さま向けの『ソーシャルビジネス支援金』と日本政策金融公庫では様々な融資を取り扱っています。

 

商工会議所、信用保証協会でも起業時に必要となる運転資金融資を行っています。銀行など民間融資機関と比べ利率が低いのが特徴です。その分審査も慎重に厳格にされますが、適切な手続きをし、しっかりとした事業計画を備えて相談しましょう。

 

 

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