起業 失敗の確率は? 法律上の倒産とは?
独立起業を考えたとき、本当に事業を続けられるのか、収益は上がるのだろうか、不安があると思います。大口案件や大きな取引先がすぐにできるかと言えば難しいでしょう。
政府による起業の失敗率は統計としては調べられてはいません。「起業 失敗確率」をネットで調べると、5年後生存率15%、5年後失敗率14%など、真逆の数字が出ていたりします。あまり確率を気にすることはないと言えますね。
ただし、起業後すぐに事業が軌道に乗るか、なかなか成果が出ないか、資金繰りを失敗したりすると、廃業しなければならない確率は高くなります。
起業の失敗は倒産だけを指すわけではありませんが、一番怖いのは倒産でしょう。法律上,破産手続・特別清算手続・会社更生手続・民事再生手続等の法的手続きを行い,倒産状態にあると認められた場合のことを倒産と呼びます
大企業に比べて景気や世間の業況に左右されやすいのは中小企業です。特に新型コロナウイルスによる景気悪化などは中小企業と小規模事業者には大きな打撃になりました。
中小企業庁による中小企業・小規模事業者の動向を見ていきます。
法律と行政手続きの専門家
行政書士 高柳麻紀
中小企業・小規模事業者の動向『業況DIの推移』
「D.I.」(ディー・アイ)とは、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。(日本銀行ホームページより)
分かりやすく言うと、景気が「良い」と感じている企業の割合から、景気が「悪い」と感じている企業の割合を引いたものです。1年間を4期に分け、3か月ごとに調査されます。
0を通常として、プラスであれば「景気が良い」マイナスは「景気が悪い」の指標になります。
【業況判断DIの推移】
→ スクロール →
建設業 | 製造業 | 卸売業 | 小売業 | サービス業 | |
---|---|---|---|---|---|
2018年 (4-6月期) |
-3 | -10 | -11 | -22 | -13 |
2019年 (4-6月期) |
-3 | -12 | -12 | -23 | -11 |
2020年 (4-6月期) |
-32 | -64 | -64 | -78 | -78 |
2021年 (4-6月期) |
-13 | -24 | -25 | -35 | -35 |
2022年 (4-6月期) |
-18 | -18 | -22 | -37 | -31 |
→ スクロール →
※中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」を参考に作成
新型コロナウイルスの影響により、中小企業の業況判断DIは、2020年の4月~6月期に急激に悪化しました。これはリーマンショック時をさらに下回る水準でした。持ち直してはいるものの、まだまだ厳しい状況といえます。
2022年2月の時点でも、73.8%の中小企業が新型コロナウイルスの影響が継続していると答えています。すでに収束したと答えた中小企業は6.7%にとどまりました。今後影響が出る可能性があると答えた中小企業は13.8%と、引き続きほとんどの中小企業に影響を与えています。
(東京商工リサーチ・2022年2月アンケートより)
中小企業・小規模事業者の動向『休廃業・解散の状況』
【休廃業・解散件数の推移】
2013年 | 34,800 |
---|---|
2014年 | 33,475 |
2015年 | 37,548 |
2016年 | 41,162 |
2017年 | 40,909 |
2018年 | 46,724 |
2019年 | 43,348 |
2020年 | 49,698 |
2021年 | 44,377 |
※東京商工リサーチ「2021年休廃業・解散起業」動向調査より作成
民間調査が始まった2000年以降、2020年が過去最高の休廃業・解散件数となりました。2021年も過去3番目の高い件数となっています。
一方、全国の「企業倒産」については2021年は6,030件と、57年ぶりの低水準となっています。政府による資金繰り支援策の効果もあり、大企業の体力には影響が少なかったといえます。
新型コロナウイルスの流行は予想できなかった事態とはいえ、中小企業・小規模事業者の弱さが顕著に現れました。起業して失敗しないために様々な世間の動きを注視し、変化に対応していく必要がありますね。
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